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羊水過多、過少
ようすいかた、かしょう

最終編集日:2022/6/7

概要

妊娠後期の羊水のほとんどは胎児の尿です。胎児はおなかのなかで羊水を飲み、排尿して羊水量を調節しています。何らかの要因で飲む量と尿の量のバランスが崩れると、羊水過多または過少となります。

多すぎると逆子や切迫早産や前期破水のリスクが高まります。少なすぎると赤ちゃんの発育の阻害や健康状態の悪化につながります。

羊水に異常が見られた場合は主治医による定期的なチェックが必要です。


原因

羊水過多・過少の原因はさまざまです。原因がわかるものはそれに応じた適切な対処を行います。母子ともに問題がなく、原因がわからない場合もあります。

羊水過多(羊水が800ml超え)の原因には次のようなものがあります。

・母体の[糖尿病]や心臓・腎臓などの疾患がある

・胎児の異常により尿の生産量が多くなる

・胎児がうまく羊水を飲み込むことができない

・ふたごでは双胎間輸血症候群という病気も原因となることがある

羊水過少(羊水が100ml未満)の原因には次のようなものがあります。

・母体の発熱や脱水などがある

・前期破水によって羊水が流出している

・胎盤機能不全、胎児機能不全である

・胎児の尿路閉鎖や腎機能に問題があり尿の産生量が低下した


症状

羊水過多のおもな症状は、苦しくて食事がとれない、呼吸が苦しい、横になれない、お腹が張る、尿が漏れるなどですが、自覚症状がない場合もあります。

羊水過少は、破水の症状や見た目のお腹の大きさが通常よりも小さくなっていることで気づくこともあります。羊水過少の程度が重い場合には、赤ちゃんの命にかかわることもあるので注意が必要です。


検査・診断

超音波検査で羊水量を測定し、妊娠週数と比べて多いか少ないかを診断します。

羊水過多・過少の原因や胎児の状態を探るために、超音波検査、胎児心拍数モニタリングが行われます。また母体の血圧測定、血液検査、尿検査も行われます。必要に応じて75g糖負荷試験、羊水検査、破水の検査を行うこともあります。


治療

羊水過多では、自覚症状や他覚症状がある場合は治療を行います。

母体に明らかな原因がある場合にはその治療を行います。[早産]を防ぐために入院して安静にする、子宮収縮抑制剤を投与するなどをすることもあります。羊水が増えすぎて、妊婦が呼吸困難などになった場合には羊水を抜く治療を行います。

羊水過少では、原因に応じてさまざまな対応をします。胎児が原因の羊水過少については、確立された治療はありません。破水の場合は、感染を防ぐために抗菌薬の投与を行います。


セルフケア

療養中

羊水に異常が見られた場合は定期的に通院し、羊水のチェックをすることが大切です。

羊水過多の場合は妊婦が仰向けに休むと、低血圧になり具合が悪くなることがあります。これは大きくなった子宮が、血管を圧迫して心臓に血液が戻りにくくなっていることが考えられます。左を下にして横になると改善されることがあります。

妊娠中に可能とされているスポーツ(マタニティスイミング、ヨガなど)も控えたほうがよいでしょう。 

羊水過少では、栄養のバランスに気をつけて無理のない生活をしましょう。


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監修

JR東京総合病院 産婦人科 医長

松浦宏美