産後うつ病さんごうつびょう
最終編集日:2022/6/8
概要
女性にとって、出産は人生における大イベントです。赤ちゃんが生まれた喜びと同時に、母親になる重圧、育児に対する不安や環境の変化がストレスになってしまうこともあります。
こうしたストレスが原因で発症するのが、産後うつ病です。産後の5~10%の人に認められるといわれています。産後3カ月以内に発症し、2週間以上たっても改善しない場合は受診が必要です。
出産直後に起こるマタニティブルーズ(マタニティブルー)は一過性であり、自然に治るもので、産後うつ病とは区別されています。
原因
出産によるホルモンバランスの乱れと、環境の変化や育児に対する漠然とした不安などのストレスがおもな原因と考えられています。
症状
気分が沈み、イライラする、理由もなく涙が出る、食欲がない、眠れない、赤ちゃんに愛情がもてない、死にたい気持ちになるなどの症状が産後3カ月以内に発症し、2週間以上つづくようなら主治医に相談し、専門医を紹介してもらいましょう。
検査・診断
問診でくわしく話を聞くことから診断は始まります。
必要に応じて、貧血や甲状腺機能異常がないか血液検査をすることもあります。
治療
軽症の場合では、育児の負担を軽減するために周囲がサポートすることで症状が改善することがあります。
慢性化し重度な場合は、薬による治療が行われます。ほとんどの向精神薬は母乳に移行しますが、乳児に移行する量は少ないため、薬物療法と母乳栄養は両立するとされています。しかし、母乳育児による不眠や疲労が症状に影響している場合は人工乳を導入しても問題ありません。
セルフケア
療養中
産後うつ病の改善には、パートナーや家族、親しい友人など身近な人たちのサポートが大きな力になります。地域の保健師や助産師も、訪問や電話などで相談にのってくれます。完璧を求めず、周囲に支えてもらうことを受け入れ、あせらず、がんばりすぎず毎日を過ごしていきましょう。
監修
JR東京総合病院 産婦人科 医長
松浦宏美