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帝王切開
ていおうせっかい

最終編集日:2022/6/7

概要

帝王切開とは、妊婦や胎児の状態などから経腟分娩がむずかしい場合に、腹を切って子宮から直接胎児を取り上げる手術のことをいいます。

帝王切開には、健診などで経腟分娩はリスクがあると判断され、あらかじめ手術日を決める予定帝王切開と、何らかのトラブルが起こり、妊婦や胎児の命に危険が及ぶ恐れがあるときに、急遽行われる緊急帝王切開があります。


原因

帝王切開の原因はさまざまです。

予定帝王切開になるケースには、逆子、多胎妊娠、子宮内胎児発育不全、帝王切開で出産したことがある、子宮筋腫などで子宮の手術をしたことがある、前置胎盤、低置胎盤、児頭骨盤不均衡、持病がある、などがあります。

緊急帝王切開になるケースには、重症の妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剝離、臍帯脱出、胎児・胎盤機能低下、胎児心拍の異常、回旋異常、遷延分娩(出産が長引いたとき)、分娩停止、母体の急変などがあります。



症状

帝王切開を陣痛の痛みを感じずにすむ楽な出産とか、お腹を痛めて産まないと母性が育たないと思う人もいるようですが、それは間違いです。帝王切開では、麻酔の注射や術後の痛み、傷痕など、自然分娩とはまた違った試練を乗り越えなければなりません。出産は母児の安全が第一であり、自然分娩でも帝王切開でも、お腹のなかで大切に胎児を育て、大変な思いをして産むことに変わりはありません。

検査・診断

手術前の検査として、超音波検査、血液検査、ノンストレステスト(胎児心拍数と子宮収縮を調べる検査)などが行われます。

予定帝王切開の場合は、手術日の前日までに入院して検査を行います。帝王切開が決まった時点で、わからないことや不安なことは医師や助産師に確認して、十分に理解したうえで手術日を迎えましょう。

緊急帝王切開は分娩中に突然決まるため、こころの準備ができないまま手術となります。出産時のトラブルは予測がつかず、誰でも帝王切開になる恐れがあります。経腟分娩を予定している人も、いざというときにあわてないよう、帝王切開の基礎的な知識は事前に持っておきましょう。



治療

手術前の処置として、必要に応じて剃毛や導尿などを行うほか、緊急時にすぐに点滴や輸血などの対応ができるよう血管のルートを確保します。麻酔は胎児への影響が少ない下半身だけに効く脊椎麻酔が用いられるのが一般的です。ただし緊急時など、状況によって全身麻酔が選択されることもあります。

麻酔が効いたのを確認した後、腹を横に切開し胎児を取り出します。緊急を要する場合などは縦に切ることもあります。局所麻酔では妊婦の意識がはっきりしているので、赤ちゃんの産声を聞くことができ、母子ともに状態に問題がなければ赤ちゃんを抱くこともできます。

切開してから赤ちゃんを取り出すまでは5~10分ほどです。その後、へその緒を切って胎盤などを取り出します。最後に子宮やお腹の傷口を縫合します。麻酔から縫合まで、1時間ほどで終了します。

その後、病室に運ばれ、出血や血圧、脈拍などを確認したうえで安静に過ごします。



セルフケア

病後

帝王切開は決して珍しいことではありませんが、理想のバースプランを思い描いていた産婦のなかには、ショックを受け、悲しい思いをする人もいるでしょう。

しかし、帝王切開は赤ちゃんが無事に産まれてくるための最善の策として、医師が判断したものです。ネガティブに捉えず、それがベストな出産方法と受け止めて手術の日まで心おだやかに過ごしましょう。

また帝王切開後は、手術後の痛みに加えて、子宮が元の大きさに戻ろうとして収縮する後陣痛も重なります。手術後2~3日たつと、経腟分娩の妊婦と同じように授乳や赤ちゃんの世話も始まります。痛みがつらいときには無理せず、処方された鎮痛剤を飲み、赤ちゃんの世話を助産師に依頼するなど、まずは自分のからだを第一に考え、体力の回復に努めましょう。


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監修

JR東京総合病院 産婦人科 医長

松浦宏美