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常位胎盤早期剥離
じょういたんばんそうきはくり

最終編集日:2022/6/8

概要

胎盤は、胎児に酸素や栄養を送る重要な役割を担っています。通常は出産後役目を終えると、子宮からはがれて出てくるのですが、出産前にはがれてしまうことがあり、これを常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)と呼びます。

剥離は数mmのものから、完全にはがれてしまう状態までさまざまですが、母児ともに重篤な合併症をひき起こす可能性のある疾患のひとつで、妊産婦死亡原因の約11%(第2位)を占めており、迅速な対応が必要となります。緊急帝王切開になるケースもあります。


原因

常位胎盤早期剥離の“常位”という言葉は、胎盤の位置が前置胎盤などではなく、正常な位置についている、という意味をあらわしています。

胎盤にも胎児にも問題はなく、順調に妊娠や分娩が進んでいても、胎盤が剥離してしまうと急に状態が悪くなります。

剥離する原因ははっきりしていませんが、妊娠高血圧症候群、子宮や卵膜の感染、腹部の打撲などの外傷が関係する場合が多く、35歳以上の高齢妊婦や喫煙者、常位胎盤早期剥離の既往がある妊婦では発症のリスクが高くなるとされています。


症状

症状は、胎盤がはがれている面積などによって異なりますが、突然の腹痛(子宮収縮もしくは下腹部痛)、性器出血と子宮の圧痛が特徴的です。“性器出血がある外出血型”と、剥離した胎盤と子宮の間に出血した血が貯まって潜伏出血となった“性器出血を認めない内包型”があります。

軽症の場合は自覚症状がほとんどありません。一方、重症の場合は激しい腹痛や大量出血、またはおなかが板のように硬くなったり、胎動がなくなったりすることもあります。

子宮収縮は、陣痛ならば、1~2分程度で周期的ですが、疼痛や収縮が持続する場合は疑う必要があります。こうした症状がみられた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。


検査・診断

問診や超音波検査などの画像診断から総合的に判断されます。

胎盤がはがれるという状態は、胎児に酸素や栄養が届かなくなる危険な状態なので、胎児の心拍数のモニタリングが行われます。あわせて母体の状態を確認するために、血圧測定や血液検査も行われます。


治療

母子ともに非常に危険な状態なので、母子の急変に備え産科、新生児科、麻酔科などとの密接な連携のうえ、できるだけ早く分娩するようにします。緊急帝王切開になることがほとんどです。

セルフケア

療養中

妊娠中は、必ず禁煙し、体重・血圧管理をしっかりと行い、また腹部を打撲しないよう気をつけましょう。

常位胎盤早期剥離は進行が早いので、少量の出血が続いている、いつもよりおなかが張っている、胎動が弱くなったなどの自覚症状が現れた場合は、すぐに主治医に相談しましょう。



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監修

JR東京総合病院 産婦人科 医長

松浦宏美