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腎臓がん
じんぞうがん

最終編集日:2022/1/11

概要

血液を濾過(ろか)して尿生成を行う腎臓の細胞ががん化し、悪性腫瘍となったものが腎臓がんで、腎細胞がん(じんさいぼうがん)とも呼ばれます。腎盂粘膜に発生する腎盂がんとは区別されます。

発症頻度は男性が女性の約2倍で、50~70歳代の発症が多い傾向にあります。

初期症状はほとんどないため人間ドックなどの健診で偶然見つかることが多く、症状が現れた段階では、すでにがんが進行しているケースが多くみられます

原因

生活習慣にかかわる高血圧、肥満、喫煙などが主な原因とされます。

長期間にわたる血液透析やフォン・ヒッペル・リンドウ病などの遺伝性の難病も、発症リスクを高める原因とされています。

症状

腫瘍が小さい段階では自覚症状はほとんどありません。がんが進行して腫瘍が直径7cm以上になると、やがて次のような症状が現れてきます。

・無症候性血尿

・わき腹や腰、背中の慢性的な痛み

・腹部の腫れ、しこり(腫瘤)など

また、がんに対する免疫反応により、発熱、体重減少、全身のだるさ、便秘などの症状が現れることもあります。

検査・診断

超音波(エコー)、CT、MRIなどの画像検査が基本です。画像検査で診断が確定できない場合は、症状に応じてさまざまな検査が行われます。

●問診

発症の原因となる可能性がある高血圧、肥満、喫煙、遺伝因子、透析治療の有無などが聞かれます。

●画像検査

・超音波(エコー)検査

からだの表面に超音波をあて、臓器から返ってくる反射の様子を画像にすることで、臓器の変形や、しこりを観察します。

・CT検査

造影剤を静脈から注入して画像を撮影するダイナミックCTがもっとも診断力が高いとされ、がんの進行度や大きさ、リンパ節やほかの臓器への転移の有無などをチェックします。超音波検査で腎臓がんが疑われる場合、診断を確定するために行われます。

・MRI検査

磁気を利用してがんの大きさや広がり、周囲の臓器への転移の有無、良性か悪性かを診断します。CT検査で使われる造影剤にアレルギーがある場合や、超音波検査やCT検査では確定がむずかしい場合に行われます。

・肺のCT検査、胸部X線検査

腎臓は血管が多い臓器なので、血流が豊富な場所、とくに肺への転移の有無を調べます。

・骨シンチグラフィ検査

がん細胞は細胞分裂が活発なため、代謝が盛んになります。この検査では骨の代謝が活発な部分に集まる性質をもつ、放射性物質を含んだ検査薬を注射して、血液から骨に取り込ませ、特殊なカメラで放射線の分布を画像化することで、骨への転移の有無を調べます。

・PET検査

がん細胞は正常な細胞にくらべて細胞分裂が活発に行われるため、より多くのブドウ糖を必要とします。その特性を利用して、この検査では放射性物質を含んだブドウ糖を注射して、臓器や組織に取り込ませ、特殊なカメラで放射線の分布を画像化することで、がんの大きさ、ほかの臓器やリンパ節への転移の有無を調べます。

・生検

細い針の先で腫瘍組織の一部をとって、悪性かどうかを顕微鏡でくわしく調べる検査です。画像検査では診断を確定できない場合に行われます。

・血液検査

採血を行って、ヘモグロビン値(貧血の指標)、腎臓の機能、栄養状態などを調べます。

治療

手術療法がもっとも有効な治療法です。

手術療法には、腎部分切除術(腫瘍を含む腎臓の一部だけを切除し、可能な限り腎機能を温存する)、根治的腎摘除術(がんがある腎臓をすべて切除する)があります。

腫瘍の場所や大きさ、体格・全身状態などによって、開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術(腎部分切除のみ)などが行われます。

再発がある場合、がんの広がりや転移がみられる場合は、化学療法、放射線療法などを行うこともあります。

セルフケア

病後

手術後10年を超えて再発するケースも少なくないため、治療後も定期的に診察、検査を行い、経過を観察していくことが大切です。

予防

高血圧、肥満、喫煙などの生活習慣との関連性がわかっているため、塩分を控えた健康的な食生活や適度な運動、禁煙を心がけることが予防につながります。

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監修

寺下医学事務所医学博士

寺下謙三