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エコノミークラス症候群
えこのみーくらすしょうこうぐん

最終編集日:2022/1/11

概要

飛行機の搭乗中など長時間同じ姿勢でいることにより足の血流が悪くなり、静脈に血栓ができることで発症します。飛行機を降りて歩き始めたとたんに呼吸困難やショックを起こし、場合によっては死亡することもあります。エコノミークラス症候群とは、飛行機のエコノミークラスの狭い座席で長時間からだを動かさないでいると、足などの深部静脈にできた血栓が肺に飛んで肺の動脈が詰まる肺血栓塞栓症です。これにより肺から左心房、左心室に血液が流入しなくなり、左心室に血液がないまま収縮してショック状態に陥ります。

原因

長時間、同じ姿勢で足を動かさないままでいると足の血流が悪くなり、足の静脈に血栓ができることがあります。長時間にわたる飛行機の搭乗や車の運転、車中泊、デスクワークなどで発症リスクが高まります。歩行などの動きをきっかけに血栓が足の血管からはがれ、血流に乗って肺まで到達すると、肺の動脈を塞いでしまいます。

症状

足などの深部にある静脈に血栓ができると、腫れたり部分的に赤くなったりするなどの症状が現れ、痛みを伴うこともあります。足の静脈にできた血栓が肺に到達した場合の症状は、その血栓の大きさによります。小さい血栓の場合は無症状のこともありますが、ある程度以上の大きさの血栓が肺動脈を閉塞すると、突然、呼吸困難や胸の痛みが生じ、重症化すると、全身倦怠感、不安感、動悸、冷や汗などの症状が出て、意識を失うこともあります。

呼吸困難の発作は、1回だけのこともありますが、数回にわたって生じ、そのたびに状態が悪化する場合もあります。足の症状はほとんどなく、肺の症状だけが現れる場合もあります。

エコノミークラス症候群は、狭いところに座ったまま足を動かさない状況が6時間以上継続すると発症しやすくなるといわれています。さらに、10時間以上継続すると重症化しやすくなると考えられています。また、足を動かさない状況がつづいた後すぐに発症する場合と、その翌日や数日後に発症する場合とがあります。

検査・診断

CT検査、また足に血栓ができている場合には、エコーによる検査で確認します。全身の血栓の有無を調べる採血によるDダイマー(D-dimer)も診断を助ける検査となります。

治療

エコノミークラス症候群の治療は、肺の血栓を解消して血流を回復させることを目的として行われますが、治療方法は重症度によって異なります。肺に詰まった血栓が小さく軽症の場合は、血栓がこれ以上できないようにする薬を用いながら、詰まった血栓が自然に溶けるのを待つ抗凝固療法という方法がとられます。大きな血栓が肺動脈に詰まっている場合には、カテーテルによる血栓除去が行われます。

セルフケア

予防

長時間、同じ姿勢でいることを避けましょう。また、長時間飛行機に乗るときなどは次のことを心がけましょう。

・定期的に水分をとる。ただし、利尿作用のあるアルコールやコーヒーは控える

・足を上下に動かすなどの適度な運動やマッサージを定期的に行う

・弾性靴下やストッキングを着用する

症状が現れたらすぐに治療を受けることが重症化の予防となります。

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監修

小田原循環器病院 循環器内科院長

杉薫