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胃がん
いがん

最終編集日:2022/1/11

概要

胃壁内側の粘膜に発生するがんです。胃のもっとも内側にある粘膜から発症し、徐々に外側の組織に向かって進行していきます。がんが粘膜や粘膜下層にとどまっているものが早期胃がんで、それより外側まで進んでいるものはすべて進行がんです。中高年に発症することが多く、日本人男性のがん患者数の上位を占めています。また特殊な胃がんであるスキルス胃がんは胃壁の粘膜下で広がっていき、粘膜の表面にはあまり現れません。そのため初期の段階では見つかりにくく、見つかったときにはかなり進行しているケースが少なくありません。

原因

胃がんの発生要因にはヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染が関係しています。ピロリ菌は乳児期に感染し、除菌しない限りは胃のなかで生きつづける悪玉菌で、胃の粘膜に炎症や潰瘍を起こします。それが細胞のがん化を促し、がんを発症させると考えられていますが、ピロリ菌に感染した人が必ずしも胃がんになるわけではありません。

喫煙や過度な飲酒の習慣、塩分の多い食品の過剰摂取、野菜や果物が不足した栄養バランスの偏った食生活、過労やストレスなどによっても胃がんを発症する危険性が高まるといわれています。

症状

初期段階ではほとんど自覚症状はありません。がんが進行していくうちに胃痛、吐き気胸やけ、胃もたれ、食欲不振などの症状が現れますが、これらの症状は胃炎や胃潰瘍などでもみられ、胃がん特有のものではありません。胃壁がただれて出血したことによる吐血やタール便(ドロドロとした形状の黒い便)、貧血などの症状が出ることもあります。さらに胃がんが進行すると、黄疸(おうだん)症状や腹水がみられるようになります。食事がつかえて食べることができなくなる、体重が減るなどの症状がある場合には進行がんの可能性もあります。

検査・診断

がんを診断するために、X線検査や内視鏡検査を行います。バリウムと発泡剤によるX線検査は日本で開発されたもので、検診に広く用いられており、早期胃がんの発見に役立ってきましたが、徐々に内視鏡検査に代わりつつあります。内視鏡検査で胃の内部を観察し、がんが疑われる箇所が見つかった場合には、その一部を採取し、顕微鏡などでくわしく調べる病理検査を行って胃がんかどうかを確定します。

胃がんであることが確定したら治療の方針を決めるために、がんの深さや広がり具合、他臓器への転移などを腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査などで調べます。

治療

胃がんの治療法には、内視鏡治療(内視鏡的切除術)、手術療法、化学療法などがあります。がんの進行の程度や患者さんのからだの状態、年齢などを含めて検討します。

がんが粘膜層にとどまっていて転移の可能性の低い早期胃がんの場合、内視鏡でがんを切り取ることができます。開腹手術に比べ、からだへの負担も少ないとされています。進行胃がんの場合は、がんに侵された部分と周囲のリンパ節を手術によって切除します。がんの進行度合いによっては、腹腔鏡による手術、もしくは開腹により胃を全部摘出する手術や、より大きな範囲でリンパ節を取り除き、周囲の臓器に転移していればそれらの臓器も切り取ることが検討されます。さらに、抗がん剤を用いた化学療法などをあわせて行います。近年の胃がん治療は、手術療法と化学療法を併用して行うのが一般的となっています。

セルフケア

予防

食生活を改善することが胃がん予防に役立ちます。塩分の過剰摂取や食べすぎ、熱い食べ物や飲み物を好んでとることはやめましょう。肉や魚などの動物性たんぱく質のこげも胃に負担を与えます。牛乳や乳製品、生野菜、果物の摂取は胃がん予防に有効です。加えて緑黄色野菜や緑茶、ビタミンCもがんの発生を抑えるといわれています。

また、早期発見のためには定期的に胃内視鏡検査を受け、胃の状態をチェックすることも大切です。ピロリ菌感染が発生原因となることが多いので、感染の有無を調べるための検査を受けておきましょう。ピロリ菌を除菌することで胃がんを予防できます。

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監修

寺下医学事務所医学博士

寺下謙三