胆管がんたんかんがん
最終編集日:2022/1/11
概要
肝臓から分泌された胆汁を十二指腸まで送る通り道である胆管にできるがんです。胆管は肝臓のなかにある肝内胆管と、肝臓の外にある肝外胆管に分けられます。がんは胆管のどの部分にもできますが、肝臓外の胆管に発生しやすいとされています。中高年の男性に多いがんで、初期段階では自覚症状がほとんどないため早期発見はむずかしく、多くは進行した状態で見つかります。
原因
胆管がんをひきおこす原因はわかっていません。膵・胆管合流異常(膵管と胆管が十二指腸に入る手前で合流してしまう先天性の形成異常)があると、膵液が逆流し炎症をひきおこすため、胆管がんの原因のひとつとされています。
また、結石ができている部位で見つかるケースが多いことから、肝内結石症による胆管の炎症も要因とされています。そのほか、胆管が詰まってしまう原発性硬化性胆管炎や、B型肝炎、C型肝炎も、胆管がんの発症リスクのひとつと考えられています。
症状
がんの発生部位によって多少異なりますが、初期段階ではほとんど症状はありません。がんが進行して胆管が塞がれると胆汁の流れが滞り、黄疸(おうだん)症状が現れ、徐々に右の脇腹に圧迫感が出てきます。便が白くなったり、濃い茶色の尿が出るようになったり、皮膚がかゆくなったりします。悪寒や発熱、腹痛、食欲不振、体重減少、倦怠感などの症状も現れてきます。胆管が塞がったことによって激しい腹痛がつづく、腹部にしこりを感じるなどの症状が現れることもあります。
検査・診断
血液検査と腹部超音波検査を行います。
血液検査ではALPやγ-GT(γ-GTP)、ビリルビンなどの数値を確認します。
腹部超音波検査では胆管が塞がっていないかなどを調べます。異常が見つかった場合にはCTやMRIを用いた検査を行い診断しますが、多くの場合、これだけでは確定的な結果は出ません。そのため造影剤を静脈に注射してから行う、CT胆道造影検査やMR胆管膵管撮影(MRCP)が必要になります。
これらの画像検査でもはっきりした結果が得られない場合には、超音波内視鏡検査(EUS)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などの検査を、必要に応じて実施します。
治療
外科的切除を第一選択としますが、切除困難と判断されることも少なくありません。黄疸がある場合は、閉塞している胆管にステントと呼ばれる管状の機器を挿入し、胆汁が流れるようにします。この処置によって痛みやかゆみを軽減することができます。手術ができない場合には、抗がん剤による化学療法や放射線療法を行います。
セルフケア
予防
がんを発症する原因のひとつと考えられている膵・胆管合流異常があると診断された場合には、胆嚢の摘出手術を予防的に行うことがすすめられます。B型肝炎、C型肝炎に罹患している場合や肝内結石症がある場合には、無症状でも定期的に検診を受けるようにしましょう。
監修
寺下医学事務所医学博士
寺下謙三