2型糖尿病にがたとうにょうびょう
最終編集日:2021/12/21
概要
2型糖尿病は、生活習慣病のひとつで、遺伝的に糖尿病になりやすい人が肥満、運動不足、ストレスなどをきっかけに発症します。大多数が成人期に発症しますが、子どもの発症も増えています。
発症初期は自覚症状がほとんどないので生活への影響は少ないですが、高血糖が続くことで血管の合併症が起きます。合併症はおもに手足のしびれ(糖尿病性神経障害)、失明(糖尿病性網膜症)、腎臓の機能低下(糖尿病性腎症)などです。2型糖尿病は狭心症、心筋梗塞や脳卒中の原因にもなります。
原因
2型糖尿病には、インスリン分泌が低下している場合とインスリン自体の働きが悪くなっている場合(インスリン抵抗性)があります。その原因としては、遺伝因子と環境因子があげられます。
●遺伝因子
インスリンの分泌とはたらきにかかわる遺伝子は複数報告されていて、これらの遺伝子異常が重なるほど発症しやすくなるといわれています。
●環境因子
環境因子としては、肥満、運動不足、食生活の欧米化による脂質摂取量の増加が考えられています。また、栄養バランスのとれていない食事や不規則な食生活も関係しています。
ほかにも近年の食生活の変化として、大麦や雑穀などの摂取が激減したことによる食物繊維とマグネシウムの摂取不足が、2型糖尿病発症に大きくかかわっていることが指摘されています。
症状
2型糖尿病の初期段階での症状はほとんどありません。血糖値の高い場合の症状は、のどの渇き、多尿、からだのだるさなどがありますが、血糖値が高い状態が続くと多くの合併症をひきおこします。
糖尿病性網膜症による視力の低下、糖尿病性腎症による腎臓機能の低下、糖尿病性神経障害による手足のしびれ、さらに動脈硬化の進行などがみられます。合併症が進むと、神経障害や血流障害による失明や足の壊疽(えそ)、腎不全や心筋梗塞など、重篤な病気を招きます。
検査・診断
2型糖尿病の検査は、まず血液検査で血糖値やHbA1cの値を調べ、目の検査や尿検査で合併症の有無を確認します。さらに経口ブドウ糖負荷試験でブドウ糖に対する膵臓の反応や血糖値の上がりやすさを調べる場合もあります。
ほかの病気によって血糖値が上がる場合もあるため、高血糖をひきおこす原因となるほかの病気がないかを調べることもあります。
治療
2型糖尿病では、第一に生活習慣の改善が必要です。日常生活のなかに運動療法や食事療法をうまく取り入れ、適正な血糖値を維持できるようにしていきます。
●運動療法
ウォーキングなどの有酸素運動と筋肉トレーニングなどの無酸素運動を組み合わせる
●食事療法
適切なカロリー摂取量を決めての食事指導や血糖値を上昇させやすい炭水化物のとり方
●嗜好習慣などの改善
禁煙や飲酒量などの指導や規則正しい睡眠のとり方のアドバイスなど
これらの生活習慣の改善を行いながら、必要に応じて内服薬やインスリン注射が用いられます。
セルフケア
療養中
2型糖尿病と診断されたら、運動や食事を通して血糖値が上がらない生活を心がけます。同時に合併症が生じていないか、あるいは合併症の早期発見のために、かかりつけ医をもって定期的に尿検査や血液検査を受けるようにします。また、日頃から手足の感覚が鈍っていないか、足先に傷や水虫などがないかを確かめる習慣をつけることも必要です。
監修
医療法人青泉会下北沢病院糖尿病センター長
富田益臣