皮膚がんひふがん
最終編集日:2021/12/21
概要
皮膚がんは、皮膚に発症するがんの総称です。慢性的な刺激(紫外線、ウイルスなど)により皮膚を構成している細胞の遺伝子が損傷し、修復できないことで発症します。代表的なものに、基底細胞がん、有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)、悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ:メラノーマ)、乳房外パジェット病があります。目に見えるがんですが、痛みなどの自覚症状が少ないため、受診が遅れるケースも少なくありません。治療の多くは病変部を切除する手術となります。
原因
がんのタイプによって原因もさまざまですが、多くは紫外線によるダメージが発症に関与していると考えられています。紫外線が皮膚を構成している細胞の遺伝子を傷つけることにより、発がんが促されます。放射線、ウイルス、喫煙、化学物質との関連性も否定できません。またがんではない皮膚疾患ややけどのあとなどの病変ががん化することもあります。
症状
表皮の基底層という部分に起こる基底細胞がんは、大半が顔面(鼻やまぶたなど)に発生し、数年をかけて大きくなり潰瘍になることもあります。このタイプは転移をすることはまれです。
表皮の有棘層という部分で発生する有棘細胞がんは、ジュクジュクした赤い病変が現れ、巨大化すると悪臭を伴うこともあります。
メラノーマと呼ばれる悪性黒色腫は、いびつな形のほくろやしみ、爪のなかに縦に伸びる黒い筋が現れる、といった特徴があります。初期段階ではほくろと悪性黒色腫を見分けるのは簡単ではないものの、発見が遅れると脳や肝臓に転移する悪性度の高いがんです。
乳房外パジェット病は、おもに外陰部(陰部や肛門付近)に発症します。かゆみのある治らない湿疹と間違われることも多く、70~80歳代の高齢者に頻発します。
検査・診断
視診、ダーモスコピー検査、皮膚生検などから、がんのタイプ、症状の度合いに応じて検査が選択されます。ダーモスコピー検査とは、ダーモスコープというライトがついた拡大鏡で皮膚の色素や細かい血管などを観察するもので、皮膚の状態を詳細に知ることができます。
必要に応じて、超音波検査、CT検査、MRI検査、PET-CT検査などの画像検査や腫瘍の一部を切除する病理検査を行い、腫瘍の種類を決定します。
治療
腫瘍部を切除する手術療法が第一選択となります。切除困難な場合や転移がある場合は、放射線療法や抗がん剤を使った化学療法を行います。
日本人ではまれなメラノーマは、悪性度が高く難治でしたが、免疫チェックポイント阻害薬がよく効くとのことで、注目を浴びています。
セルフケア
予防
皮膚がんは、皮膚の変化に気づくことが最大の予防となります。赤みや青みのついた小さなしこり、あざ、湿疹はないか、とくに日差しにさらされる部位である、うで、足、顔、首、背中、手の甲は注意深くチェックしましょう。
・強い日差しや紫外線は皮膚へのダメージが大きいため、UV対策を怠らないようにしましょう。
・外出時には、帽子、日傘、日焼け止めクリームなどで皮膚をガードしましょう。
・毎月、定期的な肌のセルフチェックを行いましょう。
監修
寺下医学事務所医学博士
寺下謙三