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骨髄炎
こつずいえん

最終編集日:2022/1/11

概要

骨の内部にある骨髄と呼ばれる軟らかい組織に炎症が起こる病気です。発熱や全身倦怠感、炎症が生じた骨の痛み、腫れなどが現れます。子どもや高齢者に多くみられる傾向がありますが、どの年齢層でも発症リスクはあります。

細菌、抗酸菌、真菌などが原因の骨の感染症ですから、治療には抗生物質などが使われます。薬の治療効果が十分でない場合には手術も検討されます。

慢性化したり骨への感染が広がったりすると治癒がむずかしくなるため、早めの受診が大切です。

原因

骨髄は本来無菌状態ですが、そこに病原体が侵入することで骨髄炎が発症します。

骨髄に病原体が侵入する原因には次のようなことが考えられます。

・からだのほかの部位に存在していた病原体が、血液を介して骨髄へ入り込む

・むし歯から下顎骨へ病原体が侵入したり、骨折で骨髄が空気にさらされたりして病原体が直接侵入する

・骨や関節の手術中などに、病原体が入り込み感染する


ほかにも、肺炎、尿路感染、感染性心内膜炎など、内臓の感染症が原因になる可能性もあります。

また糖尿病やステロイドの長期間の使用、抗がん剤などによる免疫力の低下などは骨髄炎の発症リスクを高めます。

症状

骨髄炎が多く発症する部位は、小児では上腕骨や大腿骨、成人では脛骨、椎骨(ついこつ)などです。

足や腕の骨が感染すると典型的な症状として、発熱、全身倦怠感、炎症が生じた骨の痛みや皮膚の赤い腫れや熱感などが現れます。

ただ鎮痛剤などの影響で発熱が抑えられて発見が遅れることがあります。原因菌が直接骨に侵入して骨髄炎が生じた場合も発熱しないケースがあります。進行すると体重減少や強い疲労感が出ます。

治療の効果が現れないと慢性骨髄炎に移行することがあり、この病気は完治が非常にむずかしい持続性の感染症です。

検査・診断

骨髄炎は血液検査、X線検査、MRI検査、骨シンチグラフィなどの画像検査と、血液や排泄された膿や生検(針などで感染部位から組織を採取する)などで得られた組織を用いる培養検査が行われます。

培養検査で病原体が特定できた場合は、抗生物質に対する効果を判定するため薬剤感受性検査が行われます。また身体診察で、骨の一部に痛みの持続があるような場合は発熱がなくても骨髄炎が疑われることがあります。

治療

発症原因の病原体に対して効果が期待できる抗生物質や抗真菌薬などを使った治療が行われます。原因が特定できない場合は、発症頻度が高い病原体に対する抗菌薬を使用して治療を行います。そのため数週間の治療が必要となるケースがあります。

また痛みの緩和には、局所の安静を保ち、鎮痛剤を使用します。

薬を使った治療で効果が十分に現れない場合に手術が検討されることもあります。膿瘍では、通常手術で膿を取り除きます。

現在、自己免疫異常で発症する骨髄炎(慢性再発性多発性骨髄炎)の治療方法は確立されていませんが、非ステロイド性抗消炎剤などを使った治療が行われています。

セルフケア

病後

骨髄炎の患者さんの病後は、早期に適切な治療が行われれば良好であることがほとんどです。ただし慢性骨髄炎に進行した場合は、数週間から数カ月後、あるいは数年後に骨に膿瘍が再発することがあるため、定期的に診察を受けることが必要です。

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監修

東馬込しば整形外科院長

柴伸昌