先天性内反足せんてんせいないはんそく
最終編集日:2022/1/11
概要
新生児の足が内側に向いて変形した状態で生まれる疾患で、前足部の内転、後足部の内反、足全体の尖足などの変形要素をもつ病気です。
原因は解明されていませんが、後足部にある距骨(きょこつ)という骨の形成不全に基づき、骨どうしの配列の異常と、それに伴う軟部組織の拘縮(こうしゅく:硬くなること)による変形で、早めに治療をしないと歩行に支障が生じる場合があります。
治療は、徒手で足の位置を矯正しギプス固定を行います。ギプス治療などの保存療法により矯正が得られなかった場合は手術も検討されます。
原因
先天性内反足の原因は、これまでのところ完全にはわかっていません。子宮内での胎児の姿勢の問題、足の発生時に異常が生じた、などが原因ではないかと考えられています。
およそ1000人に1人の発生率で男児に多く、半数以上は両足に発生します。片足の場合は右側の足の発生することが多いという調査があります。
また、足の変形だけが起こるケースと、二分脊椎や染色体異常などほかの病気と関連して発症するケースがあります。
症状
先天性内反足では、生まれつき足が変形した状態になっています。
変形は次の3つの変形要素を組み合わせた形となります。
・内反
足の裏側が内側を向く状態
・内転
つま先が内側を向く状態
・尖足
足が下を向いた状態
先天性内反足は放置しておくと足の裏を地に着けることができず、足の甲や足の外側で歩くようになってしまい歩行障害を生じることがあります。
ただ、出生時に内反足のような変形があっても、手を使うことで容易に正常可動域まで矯正できる場合は、胎内での不良肢位が原因の内反足で真の先天性内反足ではありません。
検査・診断
先天性内反足は、医師の触診や身体診察によって生まれつきの足の変形を詳細に観察します。見た目の変形の状態で内反足の診断は比較的容易にできます。
内反、内転、尖足、また、足に麻痺がないことを確認し、手で足を正常な位置に容易に矯正でき、足関節の動きも良好である場合には真の先天性内反足ではないと診断されます。
矯正がむずかしい場合や関節の動きに問題がある場合には、先天性内反足と診断します。先天性内反足の場合は、足のX線検査でさらに詳細な検査を行います。
治療
先天性内反足を放置すると、歩行に障害が残る心配があるため、積極的な治療が必要です。治療方法には、保存的な治療と外科的な治療があります。
●保存的な治療方法
医師が徒手で足の位置を矯正した後にギプス固定を行います。一度で矯正することはせずに、数日の間隔をおきながら徐々に矯正を重ねます。
ある程度まで矯正された段階で再発を予防するため、デニスブラウン型装具と呼ばれる特殊な装具を装着します。装着開始から3カ月間は一日中装着し、その後は徐々に装着時間を短縮していきます。この治療は3年間ほど継続します。
●外科的な治療方法
変形の程度が強く保存療法で十分な矯正が得られない先天性内反足では、腱や靱帯などを切断する手術療法が検討されます。
セルフケア
療養中
この病気に予防法はありませんが、装具を装着しての治療には長い時間かかります。子どもも親もストレスにならないよう、生活の一部として楽な気持ちで治療を続けましょう。矯正がきちんと終われば、成長後も普通に歩くことができます。
監修
東馬込しば整形外科院長
柴伸昌