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頸椎椎間板ヘルニア
けいついついかんばんへるにあ

最終編集日:2022/1/11

概要

頸椎は7つの椎骨で構成されていて、椎骨と椎骨の間にはクッションの働きをする椎間板という軟骨が挟まっています。頸椎椎間板ヘルニアは、無理がかかったときに椎間板の一部が外に押し出され、神経を圧迫する病気です。

中高年に発症しやすい症状ですが、20~30歳代の若い世代にもみられます。首、肩、うでに痛みやしびれなどが現れ、軽症の場合は痛み止めやネックカラーなどによる保存的療法が、重症度が高い場合には手術が検討されます。

原因

頸椎椎間板ヘルニアは、多くが姿勢の悪さやスポーツなどの衝撃を原因に発症すると考えられています。頸椎椎間板ヘルニアを発症すると、頸椎の椎間板が脊髄やその周囲の神経を圧迫するようになり、この圧迫によってさまざまな症状が出現するようになります。

中高年に多い原因は加齢による変性、姿勢の悪さ、運動などによる負担が椎間板にかかることですが、近年は20歳代の頸椎椎間板ヘルニアの患者さんが増加しており、原因はスマートフォンの使いすぎなど姿勢の悪さによると考えられています。

スマートフォンは2010年頃から普及が急速に進み、とくに若い世代が長時間使用するようになりました。操作する際にはうつむく姿勢になることが多く、長時間首に負担をかけつづけることが頸椎椎間板ヘルニアの発症につながっています。

症状

症状は、椎間板による神経の 圧迫の程度や頸椎の加齢性変化の有無、神経の過敏性によって違ってきます。神経圧迫の程度が比較的軽い場合は、首の後ろや肩、うでの痛み、しびれなどがみられることがあります。

首の後ろが張って筋肉が収縮することで頭痛も生じます。神経圧迫の程度が強くなると、手の動きが悪くなったり、力が入らなくなったり、運動機能に障害が生じるようになります。また、圧迫されているのが神経根か脊髄かによって症状は異なります。

●神経根が圧迫されている症状

おもに後頸部から肩、うでや手指にかけての痛み、しびれが現れます。通常は痛みやしびれは片側にみられます。うがいなどで頸部を後ろにそらすと症状が強くなります。

●脊髄が圧迫されている症状

脊髄が圧迫されている場合は、手のしびれ以外にも症状が現れます。手指の細かな運動がしづらく、衣服のボタンのとめはずしもむずかしくなります。やがて足にも症状が出て、とくに階段を下りにくくなることが多いようです。片側だけのときもありますが、しだいに反対側にも現れることは少なくありません。

検査・診断

頸椎椎間板ヘルニアでは、神経所見の検査に加えてX線検査やMRI検査などの画像検査が行われます。

MRI検査では、飛び出たヘルニアの存在や脊髄の圧迫の状態も判断でき状況をくわしく観察することが可能です。そのほか、特殊な検査として、脊髄造影検査、椎間板造影検査、筋電図などもあります。身体所見と画像所見が一致した場合に診断が確定されます。

治療

軽いしびれや痛みなどの症状の場合は保存的療法、筋力が著しく低下している場合や運動麻痺の症状が現れている場合には手術が検討されます。

●保存的療法

できるだけ首の安静を図ることが基本となります。ネックカラーと呼ばれる頸椎を保護する装具をつけて安静にし、消炎鎮痛剤やビタミン剤の内服を行います。神経根の圧迫では、急性期にしっかりと保存治療を行えば約85~90%はよくなるといわれています。

●手術

頸椎椎間板ヘルニアが進行すると運動麻痺の症状が強くなるため手術が選択されます。手術では、神経を圧迫している原因になっているヘルニアを除去します。通常は頸椎の前方からヘルニアを除去するので、椎間板が部分的になくなります。その空洞になった部分は骨を移植して固定します。ヘルニアが数カ所ある場合は首の後ろから手術を行う方法をとることがあります。どのような手術方法をとるかは検査結果を踏まえ個々の状態によって決定します。

セルフケア

療養中

頸椎椎間板ヘルニアの療養中は高めの枕がよいとされています。低めの枕は日常的に頸椎を圧迫して、それによる疼痛が増し症状の改善も遅くなります。

神経の圧迫から頸椎を守るためには、枕の高さにかぎらず伸展の動作は意識的に避けるようにしましょう。

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監修

東馬込しば整形外科院長

柴伸昌